メタルマックスゼノリボーンを語る会に寄せる駄文とか

 

[はじめにとか]
こちらの記事は、Twitterにおいて催されていた、「リボーンを語る会」なるイベントに寄せた感想及び次作への要望のまとめです。
本来はTwitterへの投稿が趣旨だと思うのですが、長くなり過ぎたのでブログを取って公開します。
こういった投稿には不慣れなもので、お見苦しい点などあるかと思いますが、何卒ご容赦ください。

企画のついったリンクはこちら↓

 

 

[シリーズプレイ歴と投稿するうえでのスタンス等についてとか]
メタルマックスシリーズはSFCの2、リターンズ、DS系の3、2R、4をクリアまで。サーガは砂塵をクリアまで。
他に未プレイながら鋼の季節、無印ゼノのソフトを所有しています。
メタルマックスゼノリボーンは、最高難易度であるラグナロクのサバイバルモードを、射撃モードのみでクリアしました。(白兵戦除く)

それなりに本シリーズを遊んでいますが、"メタルマックスらしさ"のようなものはよくわかりません。
遊んで面白ければいい、楽しめればいいというのが、基本的なスタンスです。
こちらへの投稿についても、各要素の感想と「ここがこうなっていたら、私は更に楽しめたな」というような内容が主になりますので、シリーズらしさ等はほぼ考慮していないことをお断りしておきます。
なお、バグについてはそこまで重篤なものには遭遇していないこともあり、こちらも特に考慮していません。
そして大事なことなので先に書いておきますが、不満点はありつつも「私はメタルマックスゼノリボーンをとても楽しくプレイしました」
シリーズ経験者としての色眼鏡なく、私にとって「間違いなく面白い作品」でした。
ということを、前提としてご承知おきください。


[移動周りについてとか]
徒歩での移動には修正が入りましたが、個人的にはカメラが人物に寄り過ぎだと感じています。
特に人間専用の施設やダンジョンでは顕著で、歩いているキャラの足元が見えないことが多々あります。
段差上を歩くと画面がガタガタ揺れますし、また、ダンジョン内ではライトが激しめに揺れるようになっており、非常に酔い易い印象を受けました。
次作では、そのあたりに気を使っていただけるとありがたいです。

クルマでの移動については、多くの方が意見を寄せておられる通りですね。
操作に慣れれば移動が楽しくなりますが、慣れるまでがとても大変であり、RPGの移動に習熟を求められるのは辛い方も多いことと思います。
カジュアル操作の選択などが出来ると、もう少しとっつきやすいゲームになるのではないでしょうか。
あと個人的な要望ですが、次作ではバック操作のみのリバース設定の実装をご検討ください。よろしくお願いいたします。


[戦闘についてとか]
白兵戦に関しては、これまでのシリーズから大きな変化がなく、基本的な面白さとしては安定していました。
ただ、本作では戦車戦の比重が大きく取られているためか、白兵戦で苦戦するような場面がほぼありませんでした。
最高難度すらも、装備も買いそろえていない育成も不十分なメンバーで、問題なく進めてしまいました。
本作では戦車にダメージ軽減が備わっていないこともあり、恐らく回避のドーピングなどを考慮しなくても戦車より人間の方がよほど硬く、普通にやっていても被ダメージが逆転するはず。
それでいてHPも普通に高いので、正直回復アイテムを縛っているとか買い忘れたとかでもない限り、そうそう死なないバランスだったと思います。
また、攻撃用の消耗品がDDパイナップルやRPG7など物理攻撃に寄り過ぎていたので、ニトロビールフリーズビール復活のほか、音波電撃などの属性付き攻撃アイテムの追加を熱望しています。
スキルの効果やツリーの構成などは次作で調整されることと思いますが、それに合わせて白兵戦における強敵の登場などにも期待します。

戦車戦は本作で大きく変わり、目玉のひとつだったかと思います。
実際私は大いに楽しんだわけなのですが、"射撃モードを戦車戦に含めるかどうか"で評価が変わります。
射撃モードを除いた戦車戦については、個人的には正直ちょっと物足りなかったです。
過去作では戦車戦においても、例えば特殊砲弾を選んだり、煙幕を張ったり、バリアを張ったりといった通常攻撃以外に有効な行動がありましたが、本作ではそれが大幅に減ってしまいました。
プレイヤーのスタンスによって攻撃一辺倒なのと、他に有効な行動がないからそうなのとは全く別の話ですので、戦車戦における行動のバリエーションがもう少し欲しかったですね。
恐らくカメラワークやスピード感の問題で、大砲やS-Eの一斉射の爽快感が減退しているのもいまいちと感じる要因のひとつです。
また、前述しましたが、本作では過去にあった車両のダメージ軽減能力が消えており、異常に撃たれ弱くなってしまったのも、個人的には疑問符が付く変更点でした。

ただし、射撃モードも含めた戦車戦の評価は、個人的にかなり高いです。
最高難易度で最初から開始しても、射撃モードのみでクリアまで行けるのは非常に思い切った調整ですし、攻略にも熱中できました
個人的にはこのモードを発展させて、「能動的に罠を仕掛ける」、「投げやすい石や餌になるアイテムで敵を誘導する」、「車両で体当たりして、ダメージを受けるかわりに重量等に依存したダメージを与えて轢き殺す」など出来るようになったら最高ですね。
他にもアクアヒドラの巣に酒樽を仕込んで酔っ払わせるとか、蜜を仕掛けておいて翌日に虫系の敵を一網打尽とか、眠っている軍艦サウルス(本作では常時起床してましたが)を囲うように配置したクレイモア地雷を遠隔操作で起爆して吹き飛ばしたりなどなど。
今作の敵は「ほとんど動かないもの」、「敵襲に対してやたら感度の低いもの」、「生物ではあるが、生態が全く見えてこないもの」などが大半なので、もっと殺意の高い敵や危険な野生生物を、あの手この手で倒せるようになれば楽しいはずです。(少なくとも自分は楽しい!)
倒し方でドロップ品が変わったりすると、いろんな倒し方を試す楽しみもあるのかなとか。(減らすのではなく変化だと、正解不正解みたいにならないので好みです)
ここからいくらでも面白くなりそうなシステムなので、次作での調整に大いに期待しています。
とにかく、射撃モードの「先手を取って有利に立ち回る、可能ならば封殺する」といった素晴らしい特性を活かす方向性で伸びてくれたら言うことはないですね。
ただ、本作では仲間がいると無駄にタゲを取ってしまったり、人間時は勝手に移動してから攻撃したりと射撃モードを活かしにくい状況があったので、これらの挙動についてもご一考いただければ。
あと射角…!機銃と一部S-Eだけとかでも良いので、真上への攻撃にも対応をお願いします。

また、戦闘全般に言えることですが、テキストによる戦闘内容の説明の必要性を強く感じました。
主な理由としては第一に、単純に何をしているのかわからないこと。
敵のバフ行動にしろデバフの継続状況にしろ、目視ではさっぱりわからないので、敵の状態に対して対応する楽しみがなくなっています。
第二に、過去作においては戦闘中のテキストが、フレーバーとして機能していたこと。
MM2のグラップラーにおける「くちぎたなく ののしっている」など、フレーバーとしての役割は非常に大きく、テキスト表示がなくなったことによる敵キャラの魅力の減退が大きかったかなと思います。
戦車戦の項でも書きましたが、もう一つ大きいのがカメラワークの問題です。

白兵戦含め、単純に今何をしているのかわからないことが多いです。
ラッシュで大量のミサイルを飛ばすのは気持ちいいものですが、視覚的にわかりにくいシーンが多くなってしまっているのはもったいないと感じました。
属性相性の説明がおざなりなのも問題で、青バー赤バーの違いも説明されませんし、何の表記もなくそんなイメージがないのにビームを吸収する敵が複数いたりなどは、さすがにちょっと辛かったですね。
クリティカル時にダメージが下がったり、ほとんどダメージが変わらないことが多すぎるので、この仕様も見直して欲しいです。


[各種装備品や道具についてとか]
ぶっちゃけ説明不足の極みでした。得意武器補正、デバフなどの特殊効果、物理属性の詳細とその耐性など、多くが謎に包まれています。
そのせいで選択肢に上がらない装備が大量にあると思われます。
選択肢が減ることはそれだけ面白さの低減につながりますので、しっかりとしたフォローをお願いしたいところです。

車載装備の性能についてですが、S-E全般がミサイル以外微妙になってしまっているのがもったいないです。
威力・利便性ともに大砲の後塵を拝している感が否めず、弾数の少なさと特殊効果がマスクデータである問題故に、デバフ用途にもいまいち活用しにくいです。
DSシリーズにかけての大砲の復権には熱いものがありましたが、今度はS-Eの復権・用途拡張についてもご再考いただきたいです。

迎撃装備が機能しているのかわからないです。
これは戦闘自体の問題点でもありますが、わからないので使われないという悲しいカテゴリになってしまっています。
3Dになったゼノシリーズでグラフィック的に対応するのはとても難しそうですが、何とか上手く有用性が示される形になって欲しいです。

戦闘の項にも書きましたが、人間用の消耗品攻撃アイテムの属性を充実させてほしいです。
火炎瓶フリーズビールなどは、過去作でも制限プレイを中心に大活躍していた優秀なアイテムです。
今作では属性攻撃にデバフなどが実装されたこともあり、そういった面での活躍にも期待が持てる優良株だと思っています。
あと、クルマに乗っていても、道具は普通に使いたいです。

あとは最高難易度限定や周回毎に個数限定でも良いので、車載装備の★を増やすアイテムや機能が欲しいですね。ついでに減らすものがあっても良いと思います。


[味方・戦車についてとか]
人間のスキル構成の見直しは必須だと思います。
特に戦車戦用のスキルは一部を除いて特性チップに用途を食われていますし、それ以外も乗車中には使えないなど利便性が低いです。

犬に関しても命令できずクルマにも乗れないというデメリットのみが際立っており、特に独自の強みが見受けられません。
"4枠目の特殊な仲間"という特徴で十分だとお考えであればそれでも良いのかもしれませんが、個人的には今のままならマスコットの域を出ていないと思います。
種類についても犬に限定せず、鳥をドローンのように飛ばしてマッピングの補助をさせたりなど、動物枠特有の強みと選択の幅が欲しいです。

前作にあったという戦車の製造はとても魅力的だと思うのですが、なくなってしまったのが残念でした。
特定の車両の固定装備は、「取り外せてしまえば何の問題もない」と思います。何なら6枠目の武装にしてしまうとか。
特性チップに関しても、車両によって枠とスロットに差があっても良いかもですね。
結局のところ、最大防御力と重量という特徴が不動のものとして存在している以上、他の特徴付けはあってもなくても差は生まれますので、最終的には単純にバランスの問題であり、固定装備単体の問題ということはありえないはずです。
私は、2Rで追加された迎撃電光象牙のおかげで、マンムートが大好きになったプレイヤーなので、そういった意味でも固定装備・専用装備肯定派ですね。
繰り返しになってしまいますが、従来のシリーズにあった車両のダメージ軽減も復活して欲しいです。本作はクルマがあまりにも柔らかすぎます…。
あとは二人乗り車両があると、射撃モードの他にキャラのレベリングがやりやすいなどのメリットが多いので、可能であればこれも復活して欲しいです。


[世界観やシナリオ、マップについてとか]
シナリオに関しては、「主人公のバックボーンについて何も説明されない」ことと、「ラスボスの無味乾燥さ」が全てですね。
まるで、餡子の入っていない薄皮饅頭のような味気なさでした。
本作で何かやると、その分だけ2でできることが減るのは理解できますが、さすがに何もなさ過ぎたので、この点で本作単品としての評価が落ちるのは仕方がないかなと思います。

マップについてはまず、単純な広さの問題を感じました。
本作では戦闘と移動が一部簡略化・一体化したため、全体のプレイ時間に対する移動の比重が非常に大きくなり、結果としてマップの狭さを感じるようになってしまっています。
また、世界観に関するフレーバーテキストが随所に散りばめられていますが、私には不自然なほどテキストに頼り過ぎているように見えてしまいました。
次作ではノボトケのような見ただけで「なんだありゃ!」となるインパクトのあるスポットや、「ベッドで向かい合って横たわる人骨」のような、テキストに頼らないフレーバー作りにも力を入れて欲しいです。

これらは恐らく、2のネタを潰さないために意図的に作業量を減らした部分かなと思っているので評価も難しいところですが、本作のみを色眼鏡なしで見れば、やはり作り込み不足としか言いようがないです。
逆に2への期待というか、ハードルは非常に上がったように思いますね。
一ユーザーとしては、頑張ってくださいとしか言えませんが…。
システム面ではミニマップが拡大も縮小もできず、地名の確認もできず、今どこにいるのかがわかり難すぎる点も何とかしていただきたいです。


[その他システム周りとか]
細かいところは覚えてなかったりするので、書いている時点で思い出せた分だけ書きます。

拠点内だけでも良いので、パーティに編成していないキャラや車両の装備も普通に変更したいです。

各項のソート状態は、セーブ&ロードしても引き継いで欲しいです。

クルマの初期装備の★厳選作業はつまらないので何とかして欲しいです。
とはいえ、木箱産の車載装備等も含めて★1しかないのも寂しいので、やはり★をいじるアイテムか機能が欲しいです。

改を飛ばして極に改造した場合に、図鑑に改が載らない仕様は何とかして欲しいです。

クルマや装備の守備力改造において、一段階ずつポチポチしなければならない仕様を見直して欲しいです。

ロード時間はアイテムのロードなども含めて、もうちょっと短いと嬉しいです。


[総評とか]
作り込みが甘い部分が多々見受けられ、完成度という意味での不満点は多かったです。
男色ディーノさんもレビューで仰ってましたが、減点方式だとどうしても評価が下がってしまう作品と言わざるを得ませんでした。
それでもポストアポカリプス的な世界を戦車を駆って走り抜けたり、射撃モードで工夫しながら敵を完封したりなど、RPG作品としては独自性をしっかり確立しており、今後の味付け次第で確実に面白くなるはずだと感じました。
本作ですでに良いエンジンが出来ているようですので、あとは良いところは伸ばして不満点を潰していけば、次作はとても良い作品になると思います。

そして冒頭でも書いた大事なことですが、私は私なりに、メタルマックスゼノリボーンをとても楽しむことが出来ました
ぶっちゃけてしまうと、発売前は開発側の"こだわり"や"チャレンジ"と言った意気込みばかりが伝わってきていて、そういった姿勢に不安感を持っていました
開発側にどれほどの意気込みがあったとしても、それらは結局主観的かつ実を伴わない内向きの評価でしかなく、受け取ったユーザーの面白かったか否かの評価には全く関係がないからです。
少なくとも、『自分がメタルマックスを知らない人間』であったなら、"こだわり"や"チャレンジ"を前面に押し出したゲームを買うことには躊躇すると思います
だって、『その私』は旧来のメタルマックスを知らず、ゼノリボーンと比較できないのですから。
"新"を売り込む相手は、"旧"を知っていなければなりません。
メタルマックスをプレイしたことのない人からすれば、「戦車を好き勝手に改造して乗り回して大砲をぶっぱなす」ということ自体がもうすでに"新"のはずで、旧作との違いなどはもっと先の話です。
常連客に売り込むならそれでも良いのでしょうが、伝説のご新規さんにアピールしたいなら、新も旧もない本作の持つ"楽しさ"をストレートに伝えていって欲しいです。

友野Dの宣伝活動自体はシリーズ玄人にはウケていると思うので、ご新規さん向けに

「いえーい!せんしゃかっこいー!」

「うわしょうきんくびつよい!」

「たいほうでざこをふっとばすのたーのしー!」

といったノリの宣伝窓口もあったら良いのかななんて思いました。

最後に、ここまで感想を書いていてしみじみ思いましたが、次作の製作がすでに決まっている作品というのはとても幸せなことですね。
それを前提に作品を評価できるということに、とても希望を感じています。
その分リボーン2の仕上がりに対するハードルはとても高くなっているので、スタッフの皆さんはこれから大変ですね。
次作がどういったゲームに仕上がるのかまだわかりませんが、面白い要素を素直に「面白い!楽しい!」と思えるものであることを期待します。

 

以上、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。